小説『平成くん さようなら』
テレビでコメンテーター等で活躍中の古市憲寿さんの小説。
第160回芥川賞候補にもなったが、受賞ならず。
古市さんのことは、当時けっこう話題になった『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』で先に知っており。その後TBSラジオ『文化系 トークラジオLife』などにもちょこちょこ出ていたが、いつのまにか、ワイドショーや討論番組にひっぱりだこの人気者になっていったという印象です。
小説は、様な々ブランド名がひしめく内容になっており、田中康夫『なんとなくクリスタル』を思わす、なんていわれているが、
私の感想は、時に場違いな発言や、自分の思ったことを率直に言って、メディアで炎上することがある古市さんは、とても自分を客観的に見ることができており、世間からはこう思われていて、ほんとうはこんな感じが普通なんだろうな…ということを十分に認識しており。そして、この小説に、主人公にその役割を与えている。
この小説に出てくる、平成くんはまさにメディアでの古市さんでありその彼女の目線から物語が進んでいくのだが、まさにその進み方がうまいというか、この人自分のこと分かっている、どように思われているか分かっている、という印象を受けた。
ただ、芥川賞候補作の中での選評ではあまり評価がよくなったよう。
確かに古市さん自身が言うように、純文学としても苦悩は描かれていない。
さらっとした感じ。
さらっと小説書きましたという風に見えてしまう感がある。
でも、この小説はそれでいいのではないかと思う。
けっこう、審査員からの評がボロクソだ。
そもそもなんで芥川賞候補になったんだろうか…
歴代こういうものなのでだろうか…
普通におもしろかったけどな…
確かに、登場人物の苦悩に共感や引き込まれることはなかったけど
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