気になった表現
昨日、本を読んでいて印象的な箇所があった。
そのうちに、いろいろな小説に出てくる主人公や、銀河を飛び回って活躍するルーク・スカイウォーカーたちと、自分との違いが苦痛になってきた。若いルークも身の回りのいろいろなことに深刻に悩む。でもそれは、会ったことのない自分の両親のことだったり、育ててくれた叔父や叔母との関係のことだったり、タトゥイーンという辺境の故郷から出ていくか残るか、ということだったりする。それは確かに悩むに値することである。 でもそのときに、それを読んでいる私自身の心を実際に占めていたのは、好きな友だちが自分の嫌いなやつと仲よくしていることだったり、わけのわからない理由で隣のクラスのやつから意地悪をされることだったり、いま思い出してもむかむかするような最悪の教師からの理不尽な要求だったり、あるいはどうやって対処したらよいかまったく理解できないような性的な欲求だったりした。 小説や映画の登場人物たちは、悩むに値する立派な悩みを悩んでいた。あるいは、全力で対処する価値のある人生の一大事に、真面目に立ち向かっていた。 自分の街が宇宙人に襲われて、いままさに焼き払われようとしている。主人公は自らを犠牲にして英雄的に立ち向かう …
これって何て表現していいかわからなかった、マンガ『ヒメゴト』を説明する言葉だと思った。 まさにこういう感覚がマンガで書かれている。
岸政彦さんが書かれた『断片的なものの社会学』を読んでいる。上記もその一節。
初めて、本を読み終える前に、もう1冊買った。それを嫁さんに読んでみて、と渡した。初めて、社会学と分類される本を嫁にプレゼントした。
- 作者: 岸政彦
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2015/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ヒメゴト~十九歳の制服~ コミック 1-8巻セット (ビッグコミックス)
- 作者: 峰浪りょう
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